TAMIYA RADEN|民谷螺鈿
光は素材であり、記憶である。
民谷螺鈿は、ゆらめく光と時間の層を織り重ね、工芸とアートの境界に、新しい布の概念を描き出します。
光を織る。時間をまとう。
民谷螺鈿は、貝殻と絹を用いて、光そのものをテキスタイルへと変換する工房である。
漆器や家具の装飾として用いられてきた螺鈿を、糸状に加工し、織物として成立させることで、私たちは「硬い素材を、柔らかな光の布へと変える」という、世界でも類を見ない技術を確立してきた。
私たちが織っているのは、単なる素材ではない。
海で育った貝殻が内包する揺らぐ光、絹がもつたおやかさ、そして織構造によって生まれる立体感、それらが重なり合うことで、身に纏う者の動きや時間の経過によって表情を変える「動く光」が立ち上がる。
光は人の記憶や時間をやさしく照らす。その瞬間、布は「生命をもつ光」として呼吸をはじめる。
民谷螺鈿の仕事は、丹後の海と1300年の織物史に深く根ざしている。
ローカルな自然と技術の蓄積を、現代のアート、ファッション、空間へと翻訳することで、私たちは工芸と現代表現のあいだに、新しい句読点を打つ。

